出火原因は？ 宮崎4人死亡の火事。逃げ遅れる理由は？

11月1日午前8時半ごろ、宮崎県で3階建ての店舗兼住宅が火事となり、2階に住む母親と小学6年の男子、10月31日から泊まりがけで遊びに来ていた男の子の同級生2人のあわせて4人が死亡するという痛ましい火事が起きた。


警察の調べでは１階部分は全焼しているのに、死亡した4人がいた2階部分は、壁が焦げる程度だったことがわかった。


小学６年男子の運動能力をもってしたら３階に逃げられそうなものだが何故逃げ遅れるたのだろう？　出火原因とともに調べてみた。


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亡くなったのは

中村知子さん（43）
中村優宇（ゆう）くん（12）
田畑陽仁（はると）くん（12）
宇都琳舜（りんしゅん）くん（12）

都城市立明道（めいどう）小のクラスメートで大の仲良しだった。

田畑陽仁くんと宇都琳舜くんは中村さん宅に10月31日から泊まりがけで遊びに来ていた中で悲劇はおこった。

出火原因は今現在調査中。　２日午前９時から実況見分が行われるそうだ。　そこで原因があきらになるだろう。　　火元の原因になった可能性が高いのは1階の倉庫で、以前中村さん一家が経営していた鮮魚店だったという。


１０月３１日がハロウィンだっただけに、ランタンなどは火を使う。　楽しいパーティーのはずが悲劇の元にはなってほしくはない。


＜逃げ遅れる理由＞

１階が全焼。２階は壁が焦げる程度。そして３階建ての建物を考えれば逃げ切れそうなイメージがある。　何故？　逃げ遅れたのだろうか？　調べてみた。


なんでも火事で亡くなる方の８割は窒息死だそうだ。　火災で亡くなる方のイメージとして焼け死ぬというのがあるが実は違う。　炎で焼け死ぬということはほとんどなく、煙の有毒ガスによって「息ができなくなるから」亡くなるそうだ。


火事というのは、多くは人がいない部屋で発生する。　人がいる部屋で出火したならば、すぐに気づき火が小さい内に消火することが可能だが、人がいない部屋で出火した場合には、煙や異臭が充満してくるまで気がつかない。

つまり、気がついたときには煙が充満してしまっている場合がほとんど。

「煙死」という言葉がある。

本来、空気中の酸素濃度は19％～16％。　部屋の中で煙が充満すると酸素濃度が一気に10％～5％に減少する。　10％以下ではすぐに意識不明になり、その状態で10分もいると死亡する。


しかも、煙には一酸化炭素をはじめ、塩化水素、シアン化水素、アンモニアなどの有毒ガスが含まれ、有毒な煙を吸い込むことと意識を奪われる。　私たちの周りには化学物質だらけであろう。


壁紙の接着剤、芳香剤、プラスチック、ビニール袋・・・・


燃やしたら黒い煙とイヤなにおいがするものはたくさんある。


この有毒ガスが厄介で「気道熱傷」というものを引き起こす。

気道熱傷とは、熱や煙の吸入により生じたのど、肺、気道の傷害である。　熱による直接の傷害はのどの奥（咽頭・喉頭）までだが、有毒化学物質によるものはそれより先の気管・気管支・肺の傷害が主になる。


肺、気管支などが有毒ガスで腫れあがり気道を塞ぎ最悪の場合は窒息死してしまう恐ろしい症状である。　特に室内や車内などの閉鎖された空間で火災による熱気や煙を吸入した場合には注意が必要だ。


今回のケースで当てはめてみよう。　ハロウィンの夜に友達2人が遊びに来ていたということはすぐに寝るはずなどなく、遅くまで遊んでいたり会話していたものと予測できる。


火事は朝8時30頃ということは、まだ寝ている可能性もある。　当然、明け方など冷えるので窓は閉め切り状態だろう。　　また友達の1人は小児ぜんそくが治ったばかりとの情報もあることから、煙を吸い込み早くに意識不明になることも考えられる。　助けるために遅れてしまったのか？


いずれにしても親の気持ちを考えると心が痛い。　どこに悲しみと怒りを向ければいいのだろうか？


これから空気が乾燥して火事が多くなる季節である。　出火原因を突き止めて、再発防止を心掛けることが大事だろう。

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